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喫茶ランドリーを見学してきました。


団地Classicのデザイナー、石井大吾さんが設計した喫茶ランドリーに行ってきました。

喫茶ランドリーは、2018年のグッドデザイン賞、さらにグッドフォーカス賞(地域デザイン)のダブル受賞をしています。どんな思いで喫茶ランドリーを立ち上げたのか、株式会社グランドレベルの田中元子さんに直接お話をうかがってきました。






団地女子会、団地再生事業協同組合のメンバーに、喫茶ランドリーについて一生懸命説明してくださる田中さん。
田中さんは、気取らず、真っすぐで、全力でお話をしてくださいました

㈱グランドレベル代表の田中元子さんは、今とっても注目されている人です。だけど、気取ったところがなく、全力でぶつかってくる人でした。とっても素敵で美しくて、そのアツい思いをお聞きしファンになりました。お話をうかがって、ハコを作って一過性の賑いをつくることではない、本質的な「まちづくり」について改めて考えました。


喫茶ランドリーは、私の思い描く素敵な「まち」だった

喫茶ランドリーは、凄くおしゃれな空間なんだけど、なんというのか、いい意味で完成されてない空間。常連のおじいちゃんが持って来たお正月の鏡餅の横に、おしゃれなアクセサリーが売ってたり、都会的な外観にどっかの商店街の喫茶店におじさんが飾りそうな目立つ「カレーライス」のノボリが立ってたり。




そうだ、この雑多な感じは、「まち」そのものなのかもしれない。私も東京の下町の商店街に生まれ育ち、故郷の街に再開発でビルがたくさん建って無機質でモノトーンの街並みへ変わっていくことを凄く寂しく感じていた。



喫茶ランドリーでは、お客さんがそれぞれ、自分のやりたいことを思い思いに実現していく。ここには、こういう人は来ちゃダメとか、これをやっちゃダメとかそういうルールはない。あるのは、コーヒー1杯頼めば、飲み物、食べ物も持ち込み自由、スペースを借りたり、家事室を利用するお金を払うというルールくらい。



田中さんと話す、団地再生事業協同組合の村上亜希枝
一番左の、ベレー帽をかぶっているのが私、村上です。

喫茶ランドリーで行われたイベントは、この1年間で100を超えるという。そのほとんどが、お客様の持ち込み企画で、喫茶ランドリーのこのスペースでこれをやりたいんだけどできますか?というもの。今までイベントで断ったケースは特にないというから驚く。


ここに来る人はみんな、それぞれの個性(カラー)を出すことを許されてる。だからとても居心地がいい。自分らしくいられる空間て、ありそうでない。


私たちは、いつも「こうしなければいけない」ルールにたくさん縛られてる。それは、みんなが快適に過ごすためのルールでもあるのだけれど、時に窮屈になる。「父」とか「母」、「課長」とか「主任」とかの肩書から離れた、「自分」でいられる場所が欲しくなる。



ああ、こういう許された空間、カラフルな空間が「まち」だったらいいな、なんて思う。





毎日の生活で、「やらざるえないこと」をやる場所

お店に入って、田中さんの話を聞いている間も、実はずっと???が巡っていた。

それは、「家事室」の存在というか、その発想。



ランドリー+カフェの業態の店は、たくさんある。洗濯を待つ時間に、コーヒーでのんびりする。とてもいい仕組みだなと思う。田中さんも、北欧で見たそれが喫茶ランドリーの着想だと言っていた。でも、喫茶ランドリーはそれともちょっと違う。それにプラスして、アイロンとミシンも置いてあり、「家事室」と名付けられている。洗濯機+アイロンとミシン=家事室。私はこのチョイスが、田中さんのセンスの素晴らしさを端的に表してるなと思った。


グッドデザイン賞のプレゼンで使用したパネルを用いて説明してくださった、喫茶ランドリーの田中さん
グッドデザイン賞のプレゼンで使用したパネルを用いて説明してくださった田中さん。


たいていの家に置いてあるであろう、洗濯機とアイロン、それと置いてない家もあるミシン。これをあえて喫茶店に置くことの意味を考える。


現代人の私たちは、ついつい仕事に忙しく、家事を面倒くさいもの、そしてそこに時間をかけることがもったいないと考えるところがある。でも、家事って生きていく上では必ずやらなくてはいけないもの。そして、そのやらなくてはならない家事を楽しんでやれることは、生活を楽しめることになるし、生活の質をぐっと上げてくれる。



友だちとおしゃべりしている間に選択が終わり、コーヒーを飲みながらアイロンかけたり、友だちとミシンでモノ作りしたり、家事を楽しんでやれる場を提供する喫茶店。何て素敵なんだろう。



団地(まち)にこういう場所が欲しいな。




お話をお聞きして、私は「まちづくり」をカッコつけて考えていたように思った。そうではなく、自分が、住民として必要であるもの、より生活に根差したもの、田中さんの言葉を借りて言うなら、それを「やらざるを得ないことをやる」ような場所を提供すること。それが、グランドレベル(田中さんたちの会社の名前)からのまちづくりの意味なのではと解釈した。



田中さんの説明後、カレーとビールですっかり喫茶ランドリーを満喫した、団地女子会と団地再生事業協同組合のメンバー
田中さんの説明後、カレーとビールですっかり喫茶ランドリーを満喫した見学メンバー

そして、田中さんから、もし団地で同じようなことをするなら、1階で皆が見える場所にこういう場を作ってほしい、街の安心につながるから。できることがあったらやりますと力強いお言葉。力強い同志を得た気分だった。


本当に素敵な出会いを、田中さん、大西さん、石井さん、一緒に見学に行ってくださった 団地女子会や団地再生事業協同組合の素敵な仲間たち。どうもありがとうございました。



みなさま、これからも長いお付き合いをよろしくお願いします。





【お店の情報】


喫茶ランドリー(きっさらんどりー)

〇HP:http://kissalaundry.com/ 〇Facebook:https://www.facebook.com/kissalaundry/

〇Instagram:@ kissalaundry

〇Twitter: @kissalaundry

〇営業時間: 10時〜20時

〇定休日:なし
〇住所: 東京都 墨田区 千歳2-6-9 イマケンビル1階
○問い合わせ:info@glevel.jp


#喫茶ランドリー #グランドレベル #田中元子 #大西正紀 #石井大吾 #グッドデザイン賞 #グッドフォーカス賞 #団地Classic #デザイナーズリノベーション 

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